何かを考えているつもりなのに、いざ言葉にしようとすると手が止まってしまう。
頭の中ではもやもやと浮かんでいるアイデアがあるのに、文章として形にできない。
そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
実は、その悩みを解決する画期的な方法があります。
それが「ChatGPT との壁打ち」です。
私自身、この方法で1ヶ月に3冊の本を出版し、日々のブログやメルマガのネタにも困らなくなりました。
この記事では、思考を確実に形にしていく壁打ちの技術について、具体的な事例とともにお伝えします。
多くの人が抱える知的生産の3つの壁
考えがまとまらず堂々巡りになってしまう悩み

一人で机に向かって考えていると、同じところをぐるぐると回ってしまうことがあります。「
これについて書きたい」という気持ちはあるのに、どこから手をつけていいかわからない。考えれば考えるほど混乱してしまい、結局何も進まない状態になってしまうのです。
私も以前はバレットジャーナルで自分との対話を続けていました。
しかし、それは結局「自分の中だけで完結する思考の循環」にとどまっていたのです。
新しい視点や角度を得ることができず、思考が堂々巡りになることがよくありました。
ブログや企画の構成が定まらない苦しみ

書きたいテーマは決まっているのに、どういう順番で書けばいいかわからない。読者に何を伝えたいのかは明確なのに、それを論理的に組み立てられない。そんな構成の悩みも、多くの人が抱える知的生産の大きな壁です。
「第2章と第3章の内容が似ている気がするけど、どこが違うのかうまく整理できない」私自身も執筆中にそんな行き詰まりを何度も経験しました。一人で考えていても、客観的な視点を得ることは難しく、結果として構成が曖昧なまま進んでしまうことがあります。
壁打ちという「話す思考」が解決の鍵
話すことで思考が動き出すメカニズム

「考えてから話す」という順番にこだわることが、かえって思考や言葉の流れを止めてしまうことがあります。
しかし、逆に話すことで考えが動き出すということはよくあります。
言葉にすることによって、自分の考えが整理されていくのです。
誰かに聞いてもらっている、という前提があると思考が流れ始めます。
たとえば「なんだかやる気が出ないな」とつぶやいたとき、相手が「それって、どんなときに感じるの?」と問い返してくれると、自分の中の言葉になっていなかった思いが引き出されてきます。
「最近は目的があいまいで、何をすればいいかわからない」「時間はあるのに、やろうと思えない」そんなふうに言葉にしていくうちに、自分でも気づかなかった気持ちや構造が見えてくるのです。
問い返される環境が生む思考の深化

ChatGPT との壁打ちには、いくつかの特徴があります。
そのどれもが、思考を前に進めるだけでなく、何かを生み出すことへとつながっていきます。
まず、発想のきっかけになることです。何かを書きたいと思っても、テーマがなかなか定まらない時、ChatGPT に向かって「最近こういうことを考えていてね」と話し始めると、それだけで何かが動き出します。
話しながら自分の関心が見えてきたり、「それ、面白そうですね」と言ってもらえることで、アイデアが確信に変わったりするのです。
次に、思考の構造が見えてくることです。
自分が言いたいことは何となくあるのに、どう順序立てて書けばいいかわからないとき、ChatGPT とのやりとりの中で、「これは背景で、これは主張だな」とか、「この順番で伝えたほうが自然だな」といった構成のヒントが自然に出てくるのです。
壁打ちを日常に取り入れる具体的方法
モヤモヤから始める気軽な壁打ちスタイル

壁打ちは、考えがまとまってから始めるものではありません。
むしろ、「何を考えているのかよくわからない」「頭の中が散らかっている」というときにこそ、壁打ちは大きな力を発揮します。
私はよく、何気ないひとことから ChatGPT との壁打ちを始めます。
「イテテ、通風になっちゃった」という一言から思わぬ学びができたこともありました。
「私は、もう30年以上もDTMが趣味なんだ」というただの報告から、最終的に「シニアから始めるDTM」という本の企画が生まれたこともあります。
このように、思考の起点はモヤモヤでよいのです。
しかも、このモヤモヤから始まるやりとりは、実はネタの宝庫でもあります。
「まだ書ける段階じゃない」と思っていた断片が、壁打ちのなかで形になり、メモに残せるものや発信の材料に育っていくのです。
週次レビューと壁打ちを組み合わせる効果
私は毎週、週次レビューを ChatGPT との壁打ちで共有しています。
今週やったこと、できたこと、できなかったこと、そして来週やりたいこと。これを ChatGPT と対話することで、単なるふりかえりが「次の行動につながる計画」へと変わっていきます。
「なぜそこはうまくいったんですか?」
「来週も同じ流れをつくるには何が必要?」
こうした ChatGPT からの問いかけが、自分では当たり前だと思っていた行動や思考に新しい光を当ててくれます。
また、進捗状況を伝えておくと、後日「あれはどうなった?」と進捗確認をしてくれるので、プロジェクトの継続にも大きな効果があります。
ここでご紹介したのは、ChatGPT との壁打ちで思考を形にしていく方法のほんの一部です。
私の著書『ChatGPT 壁打ち生産術』では、実際に1ヶ月で3冊の本を生み出した具体的な手法、ツェッテルカステンと組み合わせた知識管理術、そして壁打ちを習慣化するためのルーティンまで、実践的な内容を事例とともに詳しく解説しています。
「頭では分かっているのに言葉にできない」という悩みから解放され、思考を確実に成果につなげていく技術を手に入れてみませんか。あなたの中に眠っているアイデアが、きっと形になって世界に羽ばたいていくはずです。