ある言葉を紹介します。
「諦めるな。一度諦めるとそれが習慣になる」
これは、「がんばれベアーズ」という映画の監督の言葉です。
「諦めるな」とはどういうことでしょうか。
諦めるというのは、もうやらないということ、そこで止まってしまうこと、夢を目指す道を歩むのをやめてしまうということです。
諦めると、最初に持った夢は叶うことがなく、それを叶えたという未来はそこで消えてしまいます。
しかし、もっと怖いことがあります。
諦めた先に起きる怖いこと
それは、諦めると。目標を達成した未来がなくなるだけでなく、諦め癖がついてしまうということです。
諦め癖、これは、諦めることの成功体験を積み重ねていくということにほかなりません。
人間の行動は、成功体験によって強化されていきますから、諦めるという行動そのものがだんだん強化されていくのです。
そのうち、「どうせやってもできない」というような思いや考え方がインストールされてしまいます。
怖いですね。
諦めたら、もうそれでおしまいです。
つまり、成功した人は諦めなかった人だと言えます。
以前も話しましたが、エジソンが何千回、何万回と失敗した挙げ句、最終的に成功した話がありますよね。電球のフィラメントの素材を探していた時の話です。
どうして彼は、何千回、何万回も失敗を積み重ねたのに諦めることがなかったのでしょうか。
それは、「この素材ではフィラメントはつくれなかった」という一つ一つの実験結果が、失敗ではなかったからです。
逆に「フィラメントにならない素材を見つけることができた」という成功体験を何千回、何万回も繰り返したことになったのです。
その挙げ句、最後に成功しました。
「成功するまで成功体験を積み重ねた」のだから、これはもう成功して当然だと言えます。
「諦める」かわりにやること
「成功している人は辞めなかった人である」ともよく言われます。
一生懸命やっていると、どこかから助けの声がかかったり、道を歩いていてヒントになることが急にひらめいたりします。
これも、途中で諦めていたら起こらないことです。
万に一つの可能性もあって、そこを目指して一生懸命やり続けていたからこそ、ほんの小さなラッキーを手にすることができるわけです。
「開くまでドアを叩け」という言葉があります。
何度叩いても開かないけれど、でも何度でも叩き続けろということです。
叩くのをやめたらそのドアはひらかないままですね。
だから、成功するためには「やめないこと」。
諦めてやめたらそれで終わりです。
それが「開くまでドアを叩け」という言葉に表されています。
そころが、私のやるコーチングでは、「諦めるな」とはあまり言いません。
代わりに、「休んでもいいよ」と言います。さらに突っ込んで「いつ休みますか」と聞きます。
実は、これが諦めずに途中で投げ出さずに目標達成まで継続していくための大事な言葉なのです。
休む事で諦めずに続けられる
休むことと諦めることは全く別の話です。
休むことは、あきらめないために行うことだと言ってもいいでしょう。
一生懸命続けようとして、一日も休まずに頑張って、そして最終的に疲れて倒れてしまうよりは、上手に休んでまた再開してさらに進んでいくことの方が良いでしょう。
私の例で言えば、最初に本を出すのに7年かかりました。
7年もかかるなんて、かかり過ぎだと思いますか?
いえいえ、むしろ「7年間もよくやめなかったな」と言うべきでしょう。
なぜ、本を書くという夢を途中で投げ出さ図に7年間ももちつづけることができたのか。
それは途中で何度も休んでいるからです。
本を書き始めたのはいいものの、うまく話を続けられなかったり、体調が悪くなったり、ものすごく忙しくなったりで、全く書くことができなくなる時がありました。
その時にはしっかり休みました。
1年ぐらい休んだこともあります。
そうやって長く休んでいるからこそ、自分はやめたわけではないという気持ちでいました。
必ずいつか復活すると思って休み、エネルギーがたまってきたらまた復活する。
そうして少しずつ続けていって、最終的に7年目に一冊の本を書き上げることがでたのです。
目標達成までやめない秘訣 それは「棚上げ」
7年も続けられたのは、途中で休み休み続けるという意識を持っていたからだということがおわかりでしょうか。
決してやめたんじゃない、休んでいるだけ。
私はこれを「棚上げ」と言っています。
そして、20年間毎週行い続けている「週次レビュー」に「棚上げリスト」をつくり、毎週それを確かめ続けています。
私には今いくつも棚上げしているものがあります。
例えば、イラストレーターになりたいんですが、今やっていることを一生懸命やるためには、イラストレーターを描く時間がないので、これは今棚上げしています。
音楽を作ることもとても好きですが、これも棚上げしています。
こうやって自分がやりたいと思うことをそれでもとをしてもできないというときでもその夢を持つことができるのです。
注:この記述の元になった動画は2020年12月に撮られたのですが、その半年後の2021年6月にはイラストレーターとして、ストックイラストへの投稿を始めるという形で再開しました。
また作曲については、2022年にあるコミュニティで知り合った方の依頼で曲を作るという形で再開。その後2023年4月まで何曲も作りました。
その後また休みに入り、2024年2月にYouTubeチャンネル「シニアアップデート」で作業用BGM動画をつくるために再開。5月現在続けています。
続けられないからと簡単にやめてしまうのではなくて、一旦棚上げをしてみましょう。つまり、休んでみましょう。
そうやって「いつかまた始める。自分は今休んでいるだけだ」と思い、エネルギーがたまった際にはまた再開する。
そうやって夢が叶うまで繰り返して進んでいけばいいのです。
第◯章で解説した三日坊主リピーターのことですね。
こうすれば必ず行き着くところまで行けます
ちょっときついなと思ったら勇気を持って休んでください。
「諦めるな!でも休んでいいんだよ」というお話でした。
今日の話は、拙著「鬼実行力~やりたいことを、鬼のようにどこまでも追いかけ回し、達成し続ける自分プロジェクト」で詳しく解説していますので、よろしければお読みください。
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