回覧板に「夏祭りのお手伝い当番表」がはさまっていて、ため息が出た。
寄付金の封筒も一緒に回ってきた。
「町内会の祭りって、もういらないのでは?」と思っていませんか?

実は、同じように思っている人はたくさんいます。
静岡県御殿場市のある自治会が全世帯に聞いたところ、いちばん多かった答えは「やらなくてもよい」でした。
そしてこの自治会は、話し合いのうえで2025年度で祭りをやめています(御殿場市富士見原自治会「富士見原祭り廃止のご報告と経緯まとめ」)。
「いらない」と感じるのはわがままではありません。やめるにしても、続けるにしても、まず全員の声を集めるのが近道です。
この記事では、いらないと言われる理由と、やめた自治会の決め方、寄付金や手伝いの断り方をまとめました。
この記事のポイントは以下の4点です。
- いちばんの負担は準備と片付け。手伝いは体より気疲れという声も
- 御殿場市の自治会は、全世帯アンケートで決めて祭りをやめた
- やめるほかに、秋にずらす、キッチンカーを呼ぶ、などの道もある
- 寄付金は任意なら断れる。減らしてお願いする、手伝いで返す手もある
町内会の祭りはいらない?やめた自治会のアンケートと住民の本音
- 町内会の祭りがいらないと言われる理由
- 町内会の祭りの手伝いがしんどい 体より気疲れの声
- 自治会の祭りを続けたい声もある
- 自治会の祭りは廃止していい?御殿場市の自治会が出した答え
町内会の祭りがいらないと言われる理由

夜9時、テントをたたんで、ごみ袋をまとめて、まだ帰れない。
町内会の祭りがいらないと言われるいちばんの理由は、準備と片付けの負担が大きいのに、来る人が減っていることです。
実際に祭りをやめた町では、どんな声が出ていたのでしょう。
御殿場市の富士見原自治会が2025年7月に全世帯へ聞いたアンケートには、こんな声が並んでいます(同じ自治会のnoteの添付資料「富士見原祭りアンケート最終結果」)。
- 子どもの数が減って、祭りに来る人が少ない
- 準備、設営、片付けで、組長や役員の負担がとても大きい
- がんばって準備しても、天気しだいで中止になる
- 食べ物を売るなら、衛生の管理や、中止のときの後始末が大変
手間をかけたわりに人が来ない。それが続くと、「何のためにやるの?」という気持ちになります。
夏祭りを小さくしたい、やめたいと考えている自治会長は、ほかの町にもいます。
理由は、高齢化と役員不足でした(入間市「令和4年度 自治会アンケート調査 集計結果」)。
いらないと言われるいちばんの理由は、祭りそのものより、「少ない人数で大きな祭りを回す仕組み」のつらさです。
町内会の祭りの手伝いがしんどい 体より気疲れの声

手伝う側のしんどさは、実際にやった人の声を聞くとよくわかります。
この週末は町内会のお祭り
夫が町内会の班長のため手伝いで4時間拘束。私が。
めっちゃ頑張った。私が。
マリさんのXの投稿(2026年10月24日)
次の日も、朝から手伝いに出たそうです。

ああすればいいのに…
その言い方は手伝う気失せるわ…
マリさんのXの投稿(2026年10月26日)
夏祭りを手伝った人からは、こんな声もありました。
体力消耗よりたぶん気疲れ・・
ESPinc_ISEさんのXの投稿(2026年8月28日)
暑さや力仕事より、人とのやりとりに疲れる、という人は少なくありません。
「どうして私が」「その言い方はない」がたまると、祭りそのものまでいらないと思えてきます。
自治会の祭りを続けたい声もある
とはいえ、全員がいらないと思っているわけではありません。
富士見原自治会のアンケートにも、「小規模で良いので続けていくべき」という声が複数ありました。
一度やめると、数年後に再開しようとしても大変で、もう戻らないのでは、という心配もあります。
見直したい、やめたい人と、開いてほしい人。実は同じくらいいます。
宮崎市で自治会に入っている人に聞くと、「祭りなどのイベントの見直し・廃止」を望む人は11.7%。
「祭りなどのイベントの開催」を望む人は9.4%でした(宮崎市「令和5年度 自治会に関するアンケート調査結果(速報)」)。
どちらも1割前後で、ほぼ同じくらいなのです。
だから、声の大きい人だけで決めず、全員の本音を集めることが大事になります。
自治会の祭りは廃止していい?御殿場市の自治会が出した答え
では、全員に聞くと、どんな答えが返ってくるのでしょう。
富士見原自治会は、427世帯のうち320件、約75%から答えを集めました。
| 祭りについての答え | 割合(件数) |
|---|---|
| やらなくてもよい | 45.6%(146件) |
| どちらでもよい | 40.9%(131件) |
| やってもよい | 13.4%(43件) |
(御殿場市富士見原自治会のnoteより)
「やってもよい」は7人に1人ほどでした。
役員会はこの結果をもとに話し合い、次のように決めています。
「全区民が楽しめる富士見原祭りを継続することは難しい」という結論に至り、今年度をもって廃止することとなりました。
御殿場市富士見原自治会「富士見原祭り廃止のご報告と経緯まとめ」(2025年9月7日)
そのうえで、小さな集まりや世代をこえた交流など、無理なく続けられる形を考えていく、と書いています。
町内会は住民が自分たちで決める集まりです。全員の声を聞いて、会の決まりどおりに決めたなら、祭りをやめてもかまいません。
町内会の祭りの廃止・縮小の決め方と、寄付金・手伝いの断り方
- 自治会の祭りをやめる決め方の手順
- 祭りをやめる?ずらす?町内会の祭りの見直し方を比べる
- 町内会の祭りの寄付金は断れる?断り方の例文
- 町内会の祭りの手伝いを断るときの例文
自治会の祭りをやめる決め方の手順

祭りをやめたい、小さくしたいときは、富士見原自治会の流れがお手本になります。
1つめ。去年の総会の資料を読み直す。
富士見原では、事業計画に「富士見原祭り(予定)」と書かれていました。
役員会で、組長さんが「去年の総会では実施を決めたわけではなく、予定とされたはず」と言い、話し合いが始まっています。
2つめ。全世帯にアンケートを回す。
QRコード付きの用紙を紙で回覧し、スマホでも紙でも答えられるようにしました。
町内会でまねるなら、名前は書かなくてよい、としておくのがおすすめです。会議では言いにくい本音も出やすくなります。
3つめ。結果をそのまま見せる。
富士見原は、数字と、寄せられた意見のまとめを、全員が見られる形で公開しています。
4つめ。会の決まりどおりの場で決めて、知らせる。
役員会か総会かは、会の決まり(規約)に合わせます。
やめたあとの交流の形も、いっしょに知らせましょう。
数字を見せて決めておくと、あとから「勝手にやめた」と言われにくくなります。
読み直す→全員に聞く→結果を見せる→決まりどおりに決める。この順番が、角を立てないやめ方です。
祭りをやめる?ずらす?町内会の祭りの見直し方を比べる

やめるか続けるかの2つしかない、と思いこまなくて大丈夫です。
実際に行われている形や、アンケートで出た案を並べるとこうなります。
| 見直し方 | どんな形か | こんな町内に(目安) |
|---|---|---|
| やめる | 富士見原自治会は2025年度でやめ、小さな集まりを考えることにした | 来る人も担う人も少ない |
| 秋にずらす | つくば市の玉取では、夏の暑さを避けて秋に開いている | 暑さと熱中症が心配 |
| 食べ物は外に頼む | 横浜市の田中町内会の夏祭りでは、公園にキッチンカーが出た | 屋台の準備と衛生が重い |
| 中身を変える | 田中町内会は、コロナ禍のあと9月に文化や音楽の祭典を開き、2026年は7年ぶりに夏祭りも開いた | 今の祭りに人が集まらない |
| よその祭りに合わせる | 近くの区と一緒に開く、近くの祭りに町内として出る、という案が出た | 近くに大きな祭りがある |
(出典:富士見原自治会、五十嵐立青つくば市長のXの投稿、横浜市磯子区「田中町内会の夏祭りが開催されました。」。「こんな町内に」は、この記事で考えた目安です)

夏の暑さを避けて、収穫祭をテーマに秋に開く夏祭りです。
五十嵐立青つくば市長のXの投稿(2026年10月25日)
玉取の祭りは、区会、シルバー会、子ども会、神輿会がいっしょに盛り上げているそうです。
役員だけで抱えず、地域のいくつかの会で分けているのがポイントです。
まだ続けたい人がいるなら、いきなりやめるより、時期や中身を変えて小さく試すのも手です。
同じ悩みは運動会でもよく聞きます。地区の運動会はいらない?廃止の理由と決め方、出たくない時の断り方も読んでみてください。
町内会の祭りの寄付金は断れる?断り方の例文

町内会費とは別に、祭りの寄付金や協賛金を頼まれることもありますよね。
「任意」と言われた寄付なら、払わなければならない決まりは、ふつうありません。
お金の情報サイト、ファイナンシャルフィールドの記事でも、任意とされた夏祭りの協賛金に、法律で払う義務は一般的にない、と説明しています。
ただし、会の決まり(規約)で、祭りの費用を会費に含めている町内会もあるので、まず規約を確かめましょう(ファイナンシャルフィールド「町内会費とは別に、夏祭りの協賛金「3000円」をお願いされました…」)。
裁判では、自治会費に寄付金の分を上乗せして集める決まりが、寄付を強いるものとして無効とされた例もあります(大阪高等裁判所、2007年8月24日。ファイナンシャルフィールドの解説より)。
ただし、これは会費に上乗せした場合の話で、祭りのたびに頼まれる寄付とは事情がちがいます。
とはいえ、ご近所づきあいは続きます。
断るときは、事情をひとこと添えて、できることを1つ出すと角が立ちにくくなります。
今年は家計が厳しくて、寄付は難しいです。当日のお手伝いならできます。
お金の代わりに手伝いを出すときの例(ファイナンシャルフィールドの例をもとにしています)
引っ越しで何かと物入りだったので、今回は気持ちばかりですが3000円でお願いできますか。
金額を減らしてお願いするときの例(ファイナンシャルフィールドの例文をもとにしています)
同じ記事は、「お隣は2万円」と言われても、お隣の金額を基準に考える必要はない、としています。
最初の年に無理して1万円を包むと、それがその家の基準の金額だと思われてしまうことがある、という注意もありました。
全部払うか、きっぱり断るか、の2つではありません。減らす、手伝いで返す、の道もあります。
町内会の祭りの手伝いを断るときの例文

手伝いを頼まれて、どうしても出られないこともあります。
断るときは、早めに、短く、ほかにできることを1つ添えるのがコツです。
頼む役員さんも、人が足りなくて困っていることが多いからです。
声をかけてくださってありがとうございます。その日は仕事で出られません。前の日の準備なら1時間だけ行けます。
仕事や予定があるときの例
腰を痛めていて、テントの設営は難しいです。受付や子どもの見守りならできます。
体のことで断るときの例
今年は親の介護で手がいっぱいで、ごめんなさい。片付けのごみ袋配りだけでもよければ顔を出します。
介護や子育てで忙しいときの例
理由を細かく説明しすぎる必要はありません。
「ありがとう」「出られません」「これならできます」。この3つで、角を立てずに断れます。
自治会の行事そのものに出なくていいのか気になるときは、自治会の運動会は不参加でいい?強制なの?出ないとどうなる・伝え方例文にまとめています。
役員そのものを頼まれたときは、町内会役員の断り方 例文|病気・高齢・仕事で角を立てずに辞退するも読んでみてください。
祭りそのものに出たくない、青年団を辞めたい、というときは、地元の祭りに参加したくない…強制なの?田舎の祭りや青年団の断り方・辞め方にまとめています。
まとめ
町内会の祭りがいらないと言われるいちばんの理由は、少ない人数で大きな祭りを回す仕組みのつらさでした。
・町内会の祭りはいらない?やめた自治会のアンケートと住民の本音
・町内会の祭りがいらないと言われる理由
・町内会の祭りの手伝いがしんどい 体より気疲れの声
・自治会の祭りを続けたい声もある
・自治会の祭りは廃止していい?御殿場市の自治会が出した答え
・町内会の祭りの廃止・縮小の決め方と、寄付金・手伝いの断り方
・自治会の祭りをやめる決め方の手順
・祭りをやめる?ずらす?町内会の祭りの見直し方を比べる
・町内会の祭りの寄付金は断れる?断り方の例文
・町内会の祭りの手伝いを断るときの例文
御殿場市の自治会では、全世帯の約75%が答え、「やらなくてもよい」が45.6%でいちばん多くなりました。
一方で、「小さくても続けてほしい」という声もあります。
やめたいときは、全員に聞いて、数字を見せて、会の決まりどおりに決めましょう。
秋にずらす、キッチンカーを呼ぶなど、形を変える道もあります。
寄付金や手伝いは、事情をひとこと添えて、できることを1つ出せば断れます。
まずは次の役員会で、「アンケートを取ってみませんか」と言ってみませんか。
ご近所の行事のことで、だれにも言えずにもやもやしているときは、話して気持ちを整理するのも一つの方法です。
人生アップデートコーチングでは、町内会や職場、家族の人づきあいの悩みについて、じっくりお話をうかがっています。
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