共働き家庭では、時として夫婦の間で家事分担が公平でない場合が見られます。
でもこれは、お互いを思いやる対話などによって解決できることです。
内閣府のデータなどを見ても、小さなお子さんがいる共働きのご家庭では、妻が家事や育児に使う時間が夫の2倍以上になっているという現状があります(男女共同参画白書)。
夫が働き妻が家庭を守るという考え方はもう古いと感じる人が多いのに、実際の生活ではまだ差があるのが現実のようです。
こうした状況で、夫に家事を手伝ってもらうという受け身の姿勢から、ふたりで家庭を回していくという主体的な分担へ変えていくためには、感情的にぶつかるのを避け、事実をベースに話し合うことがとても大切になります。
この記事では、家事分担をめぐる心理のもつれをほどきながら、パートナーに当事者意識を持ってもらうための具体的なステップについてお伝えします。
この記事のポイント
- 夫婦の家事時間の現状とデータ
- 家事を手伝うと考えてしまう背景にある心理
- 感情的な衝突を避けるやわらかな対話のコツ
- 家事をふたりで分担していくための具体的な道のり
家事分担ですれ違う心理的な背景とは
- データから見る家事負担の現在地
- 手伝うという言葉に隠れた意識のズレ
- 無意識のうちにある役割のイメージ
データから見る家事負担の現在地
内閣府のデータなどを見ると、一人暮らしのときは男女で家事の時間にほとんど差がないのに、結婚して夫婦になると、女性のほうが男性の2倍以上も家事に時間を使っていることがわかります(男女共同参画白書)。
とくに小さなお子さんがいる共働き家庭では、育児や家事の負担が妻のほうに大きく偏りがちです。
これは、各ご家庭だけの問題ではなく、社会全体の働き方や構造にも関わっている大きなテーマと言えます。
手伝うという言葉に隠れた意識のズレ
夫が家事について手伝うという言葉を使うとき、無意識のうちに家事のメイン担当は妻であると考えていることがあります。
この前提があるままだと、夫は言われたことをやるだけのサポート役のようになってしまい、家庭を一緒に運営しているという意識がなかなか育ちません。
この手伝うという枠組みを外して、自分も責任を持つ領域だと再認識してもらうことが、分担へ進むための最初のステップとなります。
無意識のうちにある役割のイメージ
頭では男女で役割を分ける必要はないと思っていても、自分が育った環境や社会の空気から、無意識のうちに夫は仕事、妻は家事といったイメージを持っていることは少なくありません(アンコンシャスバイアス=無意識の偏見)。
夫側も決して悪気があって家事をしないわけではなく、どう動いていいか分からなかったり、どこまでやればいいのか曖昧で動けずにいるケースがよくあります。
この仕組みを理解しておくと、相手を責めるのではなく、ふたりのシステムを新しく作ろうという前向きな視点が持てます。
手伝うから分担するへ移行するための実践ステップ
- お互いを尊重する対話の土台づくり
- 見えない家事を書き出してみる
- 家事をふたりのプロジェクトにする道のり
お互いを尊重する対話の土台づくり
相手を無理に変えようとするのではなく、自分が今どういう状況でどう感じているかを、落ち着いて伝えるコミュニケーションが大切になります。
なんで手伝ってくれないのと責めるのではなく、今の家事の負担で少し疲れてしまって、家庭で笑顔でいられる時間が減っているというふうに、事実と素直な気持ちを共有するところから対話を始めてみてください。
見えない家事を書き出してみる
多くの場合、夫は家事の全体像を把握していません。
たとえばゴミ捨てひとつをとっても、家中のゴミ箱からゴミを集め、分別し、新しい袋をセットするという見えないプロセスがたくさんあります。
まずは家庭の中にあるすべての家事を、大きめの紙や付箋に書き出してみるのがおすすめです。
これを一緒に見ることで、妻が普段どれだけの見えないタスクを抱えているかを、客観的に理解してもらうことができます。
家事をふたりのプロジェクトにする道のり
家事を単なる作業ではなく、家庭というチームのプロジェクトとして捉え直すためのステップをご紹介します。
ステップ1:タスクのリストアップと時間の確認
毎日、毎週、毎月発生する家事をすべて書き出し、それぞれにどれくらいの時間がかかるかを見積もります。
ステップ2:得意なことや生活スタイルに合わせた分担
お互いの帰宅時間や得意なこと、苦手なことを話し合い、誰がどのタスクのメイン担当になるかを決めます。
ここでは手伝いではなく、担当者として完全にお任せすることがポイントです。
ステップ3:ルールづくりと定期的な見直し
やり方や仕上がりについては、担当した人に一任するルールにします。
妻があとから口出しをしてしまうと、夫はまたサポート役に戻ってしまいます。
また、月に1回くらいお茶でも飲みながら、今の分担で無理がないか、やり方を変えたほうがいいかを話し合う時間を作ると、ふたりにとって心地よい体制が続いていきます。
まとめ
家事を手伝う状態から、ふたりで分担する体制へとシフトしていく過程は、単なる作業の割り振りではなく、夫婦のパートナーシップを新しく結び直すプロセスでもあります。
今の偏りを客観的な事実として一緒に見つめ、感情をぶつけ合うのを避けながらステップを踏んでいくことで、お互いが気持ちよく家庭づくりに参加できる関係性を育んでいくことができます。
