「人生アップデートコーチング」運営者のLyusyleです。
「高校生の反抗期に疲れた」と検索されたあなたは、今、本当に大変な時期の真っ只中におられるのだと思います。かつては素直だった我が子が、急に無視をしたり、ひどい暴言を吐いたり、部屋に閉じこもったり…。親としてどうするべきか悩み、何を言っても響かない日々に「もう限界」と我慢を重ね、しんどい思いをされているかもしれません。
その態度は一体いつまで続くのか、男の子と女の子で何か違いがあるのか、あるいは自分の育て方が間違っていたのかと、不安になることもありますよね。特に、反抗期の対応として子どもをほっとくべきか、それとも関わるべきか、正解が分からず途方に暮れてしまうこともあるでしょう。
この記事では、そんな出口の見えないトンネルの中にいるような親御さんに向けて、反抗期のメカニズムを少し違った視点から解きほぐし、親自身の心を守りながら、この時期を乗り越えるための具体的なヒントを、私の視点からお伝えしていきたいと思います。
- 反抗期に親が疲れ果ててしまう本当の理由
 - 高校生の脳内で起きていることと男女差の傾向
 - 関係性を悪化させない関わり方とNG行動
 - 親自身の心が限界になる前に試したいセルフケア
 
高校生の反抗期に疲れたと感じる理由
「疲れた」と感じる背景には、単なる子どもの態度の変化だけではない、もっと深い理由が隠されていることが多いですね。まずは、その疲れの正体を一緒に見ていきましょう。
反抗期の無視や暴言に親はしんどい
わかります。親にとって一番しんどいのは、やはりコミュニケーションが取れなくなること、そして心をえぐられるような言葉を投げつけられることですよね。
これまで築いてきた親子関係が、まるで砂の城のように崩れていくような感覚…。
それは「拒絶された」という喪失感であり、親としての存在価値を揺さぶられるような痛みでもあります。
でも、知っておいてほしいのは、その「しんどい」と感じるあなたの気持ちは、お子さんを真剣に愛し、向き合ってきた証拠だということです。
決してご自身を責めないでくださいね。
高校生の反抗期、いつまで続くのか
「この嵐は、一体いつまで続くの?」これは、誰もが抱く切実な疑問だと思います。
もちろん個人差が非常に大きいことが大前提ですが、一般的には高校卒業前後、17歳から20歳くらいにかけて、少しずつ落ち着いてくることが多いと言われています。
期間にすると5〜6年続くこともある、一つの「発達段階」なんですね。
終わりが見えないと辛いですが、このトンネルには必ず出口があると信じることも、心を保つためには大切かなと思います。
子どもの脳内はアクセルとブレーキが故障中

「なんであんなに感情的なの?」と理解に苦しむ言動も多いですが、実はこれ、高校生の脳の発達が大きく関係しているんです。
すごく簡単に言うと、この時期の脳は、感情や本能を司る部分(アクセル)はホルモンの影響でフル稼働なのに、理性や衝動を抑える部分(ブレーキ)はまだ発達途中なんです。
つまり、アクセル全開なのにブレーキが未完成な車のような状態。
本人の性格や「悪い子」だから、というわけではなく、脳の構造的にイライラしやすく、衝動的になりやすい時期なんですね。
そう思うと、少し見方が変わりませんか?
反抗期は男の子と女の子で違いがある?
反抗の現れ方に、性別による傾向が見られることもあります。
もちろん、これも「絶対にこう」という話ではなく、あくまで「そういう傾向もあるかも」という視点ですが。
▼一般的な傾向の例
- 男の子の場合: 母親には暴言などで直接的に、父親には無視や沈黙で反抗することが多いかも。感情を言葉にするのが苦手で、物に当たったり、部屋に閉じこもったりする形で示すことも。
 - 女の子の場合: 同性である母親と激しい口論になりやすかったり、逆に父親には冷たい態度や無視で距離を取ったり。理屈っぽい口答えや皮肉で応戦するケースも。
 
※あくまで一般的な傾向であり、個人差が最も大きいです。
こうした違いは、それぞれの感情の処理の仕方や、アイデンティティを確立しようとする対象(例えば女子なら母親)の違いから来ているのかもしれませんね。
もう限界…親の我慢と子どもの心理

親が「もう限界」「我慢できない」と感じている時、実は子ども自身も、言葉にできないプレッシャーの中で必死にもがいていることが多いです。
彼らは、「親から精神的に自立したい(心理的離乳)」という内面的な欲求と、勉強や進路、複雑な友人関係といった外部からのストレスの板挟みになっています。
あの反抗的な態度は、「自分とは何か」を見つけるための必死の抵抗であり、同時に「こんな自分でも見捨てないで」という、歪んだ形の甘えや信頼の裏返しである場合も多いんです。
親が我慢するのではなく、その背景を想像してみることが、次の一歩につながるかもしれません。
高校生の反抗期に疲れた親の対処法
では、具体的に私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。
ここでは「子どもをコントロールする」ためではなく、「親子の絆を断ち切らない」ための関わり方のヒントを探ります。
親はどうする?諭すより「聴く」姿勢

子どもが何か言ってきた時、親はつい「それは違う」「こうした方がいい」と正論で諭し、アドバイスしたくなります。
でも、反抗期の子どもが求めているのは「正解」ではありません。
彼らが一番欲しいのは、「自分の気持ちをジャッジされずに聞いてもらうこと」です。
「イライラする!」「マジむかつく!」
そんな言葉が出てきたら、チャンスかもしれません。 「何があったの?」と詮索するより、「そっか、イライラするんだね」「腹が立つことがあったんだ」と、まずはその感情をオウム返しするだけでも、「分かってくれた」と感じるものです。
アドバイスは、彼らが「聞いてもらえた」と満足して、心が落ち着いてから。それでも遅くはありません。
反抗期の子どもをほっとくのは逆効果?
「もう何を言っても無駄だから、ほっとくしかない」…そう考えることもありますよね。
でも、完全な「放置」は、「無関心」というメッセージとして子どもに伝わり、心を閉ざす原因にもなりかねません。
かといって、「過干渉」は一番嫌がられる…。この時期の親子関係で難しいのは、この絶妙な距離感です。
目指すのは「適度な距離感」
基本は子どもの自主性に任せて「見守る」。でも、「いつでもあなたの味方だし、相談があれば乗るよ」という姿勢は、言葉や態度で示し続ける。疲れた時にいつでも戻ってこられる「大樹」のような存在でいることが理想かもしれませんね。
関係悪化?反抗期のNGワードとは
良かれと思って言った言葉が、関係を修復不可能なまでに悪化させてしまうこともあります。
特に以下の3つは、子どもの自己肯定感を根底から揺さぶる「NGワード」として意識しておきたいですね。
反抗期に特に避けたい3つのNG行動
- 他人(兄弟や友人)と比較する言葉
「お兄ちゃんは〇〇だったのに」「〇〇君はもっと頑張ってるよ」
→ これは「ありのままのお前ではダメだ」という最強の否定メッセージです。百害あって一利なし、ですね。
 - 親の価値観や期待の押し付け
「こうあるべき」「こうしなさい」
→ 子どもが今必死で築こうとしている「自分の価値観」を否定することになります。
 - プライバシーの侵害
スマホの無断チェック、部屋やカバンを勝手に漁る、SNSを監視する。
→ 信頼関係が完全に崩壊します。知りたくなる気持ちは分かりますが、一線を越えてはいけません。
 
「私」を主語にするアイメッセージの効果
子どもと衝突しそうになった時、つい「(あなたは)なんでいつも〇〇なの!」と、相手を主語にして責める「YOUメッセージ」を使いがちです。
これを、「(私は)こう思う」という「I(アイ)メッセージ」に変えてみるのをおすすめします。
- YOUメッセージ:「なんで返事をしないの!」(相手を非難)
 - Iメッセージ:「返事がないと、(私は)心配になるな」(自分の気持ちを表明)
 
命令や非難ではなく、親の「気持ち」として伝えることで、子どもも「指示された」と感じにくくなり、親の気持ちを考えるきっかけが生まれやすくなりますよ。
悩んだら専門家や相談窓口を活用しよう

とはいえ、家庭内での暴力や明らかな異変、あるいは親自身の心がもう「限界」で、うつ状態になりそうなほど疲れているなら、絶対に一人で抱え込まないでください。
助けを求めるのは、親としての敗北でも恥ずかしいことでもありません。
家族という船が沈没しないために、外部の力を借りるのは賢明な判断です。
▼相談先の一例
- スクールカウンセラー:最も身近な専門家。学校での様子も踏まえて相談できます。
 - 自治体の教育センター・教育相談所:不登校や発達など、幅広く相談に乗ってくれます。
 - 児童相談所:虐待や非行など、より深刻な問題に対応する専門機関です(全国共通ダイヤル:189)。
 - 精神保健福祉センター:子どもの心の健康問題(うつ、自傷など)の専門相談窓OK。
 - オンラインカウンセリング:自宅から気軽に、親自身のメンタルケアとして利用できます。
 
深刻な心身の不調が見られる場合は、ためらわずに心療内科や精神科などの医療機関を受診することも検討してください。
高校生の反抗期に疲れた時の向き合い方

高校生の反抗期に疲れた時、私たちが目指すゴールは「かつての素直な子どもを取り戻すこと」ではありません。
それは、この嵐を乗り越えた先に、子どもを一人の大人として尊重し合える「新しい関係」を築くことです。
反抗期は「敵」ではなく、子どもが自立し、親子関係が次のステージに進むために必要な「成長のプロセス」なんですね。
それは同時に、親も「管理者」としての役割から、「相談役・支援者」へとアップデートする時期だということです。
このプロセスを信じ、何よりも、板挟みの中で頑張っているご自身の心を一番に大切にしてあげてください
。カッとなったら6秒数える、自分のための時間を10分でも確保するなど、セルフケアも忘れずに。この嵐は、必ず過ぎ去りますから。
  
  
  
  